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銀行の相続手続きに必要な書類とは?ケース別の違いや注意点を解説

銀行相続必要書類

家族が亡くなり、銀行の預貯金の相続手続きをする際には、戸籍謄本や印鑑登録証明書、銀行所定の相続届など、複数の書類を準備する必要があります。ただし、遺言書や遺産分割協議書の有無によって必要書類が異なるため、自分の状況に応じた確認が大切です。
本記事では、銀行の相続手続きに必要な基本書類を一覧で紹介し、遺言書がある場合や相続人全員で手続きする場合など、ケース別の違いを解説します。さらに、書類の取得方法や有効期限、原本の返却、手続きにかかる日数など、準備を進める際に知っておきたい注意点もわかりやすくお伝えします。

この記事を要約すると

  • 銀行の相続手続きには、戸籍謄本や印鑑登録証明書、銀行所定の相続届などが必要です。ただし、遺言書や遺産分割協議書の有無によって必要書類は異なります。事前に取引先の銀行へ確認し、自分の状況に応じた書類を準備しましょう。
  • 銀行に提出した戸籍謄本や印鑑登録証明書などは、原則として原本を返却してもらえます。複数の銀行で同じ書類を利用できるよう、提出時に原本の返却を申し出ることが大切です。ただし、銀行所定の相続届など、返却されない書類もあります。
  • 銀行の相続手続きは、必要書類をすべて提出してから預貯金が払い戻されるまでに2~3週間程度が目安ですが、金融機関や受取方法によっては3~4週間程度かかる場合もあります。戸籍の収集や遺産分割協議にかかる期間は含まれないため、余裕を持った準備が大切です。

銀行の相続手続きに必要な基本書類

銀行の相続手続きでは、亡くなった方(被相続人)の死亡や相続人との関係、預貯金を取得する人などを確認するため、複数の書類が必要になります。

必要書類は銀行や相続の状況によって異なりますが、まずは一般的に求められる書類を確認しましょう。

銀行の相続手続きでは戸籍謄本や印鑑登録証明書などが必要になる

銀行の相続手続きで必要となる主な書類は、次のとおりです。

必要書類主な目的・内容
銀行所定の相続届・相続手続依頼書預貯金の解約や払戻しの申請書類
被相続人の戸籍謄本等死亡の事実や法定相続人の確認書類
相続人の戸籍謄本等相続人の身分関係などの確認書類
相続人の印鑑登録証明書相続届などに押された実印の確認書類
遺言書被相続人が指定した財産の取得者などの確認書類
遺産分割協議書相続人全員で合意した遺産の分け方の確認書類
通帳・預金証書・キャッシュカード等被相続人名義の口座を確認するためのもの
本人確認書類手続きを行う人の本人確認に使用する書類

※上記の書類がすべてのケースで必要になるわけではありません。

例えば、被相続人の戸籍謄本は、原則として出生から死亡までの連続したものが必要ですが、法定相続情報一覧図の写しで代用できる場合があります。

また、銀行所定の相続届は、銀行の窓口や郵送などで入手できます。書類の名称や提出方法は銀行によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

なお、通帳・預金証書・キャッシュカードなどが見つからない場合でも、紛失したものとして相続手続きを進められます。紛失している旨を銀行へ伝え、案内に従って手続きを進めましょう。

必要書類は遺言書や遺産分割協議書の有無で異なる

銀行の相続手続きでは、遺言書や遺産分割協議書の有無によって、提出する書類や手続きを行う人が異なります。

例えば、遺言書がない場合は、原則として相続人全員の関与が必要となり、戸籍謄本や印鑑登録証明書などを求められます。遺産分割協議書を作成している場合は、その内容に基づいて手続きを進めますが、協議書がなくても、相続人全員が銀行所定の書類に署名・押印することで手続きできる場合があります。

一方、遺言書で対象となる預貯金の取得者が指定されている場合は、遺言書の内容に応じて、預貯金を取得する相続人や遺言執行者の書類を中心に手続きできることがあります。

そのため、必要書類を集める前に、遺言書や遺産分割協議書の有無を確認し、取引先の銀行へ必要書類を問い合わせることが大切です。

銀行の相続手続きに必要な書類はケースによって異なる

銀行の相続手続きでは、遺言書や遺産分割協議書の有無によって必要書類が異なります。ここでは、代表的な3つのケースに分けて解説します。

遺言書がない場合は原則として相続人全員の書類が必要になる

遺言書がない場合、原則として相続人全員で預貯金の分け方を決め、銀行所定の相続届などに署名・押印して手続きを進めます。

主に必要となる書類は、以下のとおりです。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等
  • 相続人全員の戸籍謄本等
  • 相続人全員の印鑑登録証明書
  • 相続人全員が署名・押印した銀行所定の相続届

ただし、相続人が1人しかいない場合は、ほかの相続人との合意が不要なため、必要書類が簡略化されることがあります。

遺産分割協議書がある場合は協議書を提出して手続きする

遺言書がなく、相続人全員で預貯金の分け方を決めて遺産分割協議書を作成している場合は、協議書を銀行へ提出して手続きを進められます。

この場合、遺産分割協議書に加え、相続人全員の印鑑登録証明書や戸籍謄本などが必要です。銀行によっては、遺産分割協議書によって預貯金を取得する相続人が明確になっていれば、銀行所定の相続届にはその相続人のみが署名・押印すればよい場合もあります。

なお、遺産分割協議で合意したものの、遺産分割協議書を作成していない場合でも、銀行所定の書類によって手続きできることがあります。必要書類や手続き方法は銀行によって異なるため、事前に確認しましょう。

遺言書がある場合は遺言書の種類や内容に応じた書類が必要になる

遺言書がある場合は、原則としてその内容に従い、預貯金を取得する人や遺言執行者が手続きを進めます。

主に必要となるのは、遺言書、被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本等、預貯金を取得する人の印鑑登録証明書などです。ただし、遺言書の種類によって、次のような違いがあります。

遺言書の種類提出時の注意点
公正証書遺言家庭裁判所の検認は不要
自筆証書遺言原則として家庭裁判所の検認済証明書が必要
法務局で保管された自筆証書遺言検認は不要。遺言書情報証明書を取得する

また、遺言執行者が指定されている場合は、その人の印鑑登録証明書などが必要です。家庭裁判所が遺言執行者を選任した場合には、選任審判書謄本も求められます。

なお、遺言書の内容によっては相続人全員の協力が必要になることもあるため、事前に銀行へ確認しましょう。

銀行の相続手続きに必要な書類の取得方法

銀行の相続手続きに必要な戸籍謄本や印鑑登録証明書は、市区町村の窓口などで取得できます。書類によって取得先や請求方法が異なるため、事前に確認しておきましょう。

戸籍謄本は被相続人の出生から死亡までを確認して集める

戸籍謄本は、本籍地の市区町村で取得できます。被相続人の出生から死亡までの戸籍を集める際は、現在の戸籍から過去にさかのぼり、除籍謄本や改製原戸籍なども確認します。

また、2024年3月から始まった戸籍の広域交付制度を利用すれば、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍をまとめて取得できます。ただし、広域交付は本人・配偶者・直系親族に限られ、兄弟姉妹の戸籍は対象外です。また、郵送や代理人による請求もできません。

なお、兄弟姉妹が相続人となる場合や代襲相続・数次相続が発生している場合は、通常より多くの戸籍が必要になることがあります。

法定相続情報一覧図を利用すれば戸籍の提出負担を減らせる

複数の銀行で相続手続きをする場合は、法定相続情報証明制度を利用すると便利です。この制度は、被相続人と相続人の関係を一覧図にまとめ、法務局がその内容を確認して証明するものです。

利用するには、戸籍謄本などを集めて法定相続情報一覧図を作成し、法務局へ申出を行います。認証された一覧図の写しは無料で複数通取得でき、銀行によっては戸籍一式の代わりに提出できます。

ただし、一覧図だけで手続きが完了するわけではなく、印鑑登録証明書や銀行所定の相続届などは別途必要になります。

印鑑登録証明書は住所地の市区町村で取得する

印鑑登録証明書は、相続人が住民登録している市区町村の窓口で取得できます。取得する際は、原則として印鑑登録証が必要です。また、マイナンバーカードがあれば、対応している自治体ではコンビニエンスストアでも取得できます。印鑑登録をしていない場合は、先に登録手続きが必要です。

なお、海外在住で日本の印鑑登録証明書を取得できない相続人は、現地の日本大使館・領事館などで発行される署名証明書を代わりに使用できる場合があります。

銀行に必要書類を提出する際の注意点

銀行の相続手続きでは、書類を揃えるだけでなく、有効期限や原本の取扱いにも注意が必要です。不備があると再提出を求められることもあるため、提出前に確認しておきましょう。

戸籍謄本や印鑑登録証明書の有効期限は銀行によって異なる

銀行に提出する書類は、発行日からの期限が指定されている場合があります。特に、印鑑登録証明書は発行日から6か月以内のものを求める銀行が多く、取引内容によっては3か月以内とされる場合もあります。

一方、戸籍謄本は、発行日よりも相続関係を確認できる内容であることが重要ですが、銀行によって取扱いが異なります。書類を早く取得しすぎると再取得が必要になる場合もあるため、銀行の案内を確認してから準備しましょう。

戸籍謄本などの原本は提出時に返却を申し出る

銀行に提出した戸籍謄本や印鑑登録証明書などは、一般的に原本を返却してもらえます。多くの銀行では、原本を確認してコピーを取った後に返却する取扱いですが、返却を希望する場合は、提出時にその旨を申し出ることが大切です。

ただし、銀行所定の相続届など、返却されない書類もあります。複数の銀行で相続手続きをする場合は、同じ書類を繰り返し利用できるよう、原本の返却を依頼しましょう。

相続人の状況によっては追加の書類が必要になる

相続人の状況によっては、通常の必要書類に加えて、次のような書類が求められる場合があります。

相続人の状況追加で必要になる書類の例
相続放棄をした人がいる相続放棄申述受理証明書など
未成年の相続人がいる特別代理人選任審判書謄本など
海外在住の相続人がいる署名証明書、在留証明書など
相続人の一部と連絡が取れない不在者財産管理人選任審判書謄本など

例えば、親と未成年の子どもがともに相続人となり、遺産分割協議を行う場合は、利益相反を避けるため、家庭裁判所による特別代理人の選任が必要になることがあります。

ただし、上記の書類が必ず必要になるわけではありません。相続関係や手続き方法によって異なるため、特殊な事情がある場合は、事前に銀行や司法書士などの専門家へ相談しましょう。

銀行の相続手続きは書類の準備から払戻しまで順番に進める

銀行の相続手続きは、銀行への連絡から始まり、必要書類の提出、預貯金の払戻しという流れで進みます。手続きを円滑に進めるために、全体の流れや所要期間を確認しておきましょう。

銀行の相続手続きは5つのステップで進める

銀行の相続手続きは、一般的に次の5つのステップで進めます。

  1. STEP01 銀行に被相続人が亡くなったことを連絡する
  2. STEP02 銀行から必要書類の案内を受ける
  3. STEP03 戸籍謄本などの必要書類を準備する
  4. STEP04 銀行に必要書類を提出する
  5. STEP05 預貯金の払戻し・解約などが行われる

銀行に死亡の事実を連絡すると、必要書類や提出方法などの案内を受けられます。その後、書類を揃えて提出し、銀行での確認が完了すると、預貯金の払戻しなどが行われます。

ただし、ゆうちょ銀行では、最初に「相続確認表」を提出し、後日届く必要書類の案内に従って、改めて書類を提出する方式が基本です。また、相続Web案内サービスを利用すると、必要書類をWeb上で確認でき、窓口への訪問を原則1回に減らせます。ただし、被相続人の口座の状況などによっては利用できない場合があります。

金融機関によって手続きの進め方は異なるため、事前に確認しておきましょう。

必要書類の提出から払戻しまでの期間は銀行や手続き内容によって異なる

銀行の相続手続きにかかる期間は、金融機関や取引内容、預貯金の受取方法によって異なります。一般的には、必要書類をすべて提出してから2~3週間程度が目安ですが、金融機関や手続き内容によっては3~4週間程度かかる場合もあります。

ただし、これは書類提出後の期間であり、戸籍謄本の収集や遺産分割協議などにかかる時間は含まれません。

また、書類に不備がある場合や、被相続人に借入れ・貸金庫などの取引がある場合は、さらに時間がかかることがあります。余裕を持って準備を進めましょう。

書類収集や手続きが難しい場合は司法書士への相談も検討する

銀行の相続手続きは自分で行うこともできますが、相続人が多い場合や複数の銀行口座がある場合は、書類収集や手続きに時間がかかることがあります。

司法書士に依頼すれば、戸籍謄本の収集や相続関係の調査、銀行への必要書類の提出、預貯金の解約・払戻しなどを、依頼内容に応じて任せることができます。仕事などで時間が取れない方や、手続きに不安がある方は、司法書士への相談も検討するとよいでしょう。

よくある質問(Q&A)

Q1. 銀行で相続手続きをする際、必要書類の返却はしてもらえますか?
A1. 戸籍謄本や印鑑登録証明書などは、原本を返却してもらえる場合があります。ただし、銀行所定の相続届など、返却されない書類もあります。銀行によって取扱いが異なるため、原本の返却を希望する場合は、提出前に確認しましょう。
Q2. 銀行での相続手続きには何日くらいかかりますか?
A2. 必要書類をすべて提出してから預貯金が払い戻されるまで、2~3週間程度が一つの目安ですが、銀行によって異なります。また、戸籍謄本の収集や遺産分割協議にかかる期間は含まれません。書類の不備や追加の確認事項がある場合は、さらに時間がかかることがあります。
Q3. 遺産分割協議書がなくても銀行の相続手続きはできますか?
A3. 遺産分割協議書がなくても、相続人全員が銀行所定の相続届に署名・押印することで手続きできる場合があります。ただし、銀行や相続の状況によって取扱いが異なるため、遺産分割協議書を作成する必要があるか、事前に確認しましょう。
Q4. 複数の銀行で相続手続きをする場合、戸籍謄本はそれぞれ必要ですか?
A4. 銀行から戸籍謄本の原本を返却してもらえれば、別の銀行でも同じ書類を利用できます。また、法定相続情報一覧図の写しを活用すれば、戸籍謄本一式に代えて提出できるため、複数の銀行で相続手続きをする際の負担を軽減できます。
Q5. 銀行の相続手続きに必要な書類をすべて自分で集める必要がありますか?
A5. 必要書類は自分で集めることもできますが、司法書士などの専門家に依頼することも可能です。特に、相続人が多い場合や複数の銀行で手続きする場合は、書類の収集に手間がかかります。自分で対応することが難しい場合は、専門家への相談を検討しましょう。

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nocosを運営するNCPグループは、司法書士・行政書士・税理士等の有資格者100名以上を擁する、相続手続きに特化した専門集団です。

2004年の創業以来、累計受託件数12万5,000件以上の実績を重ね、現在、日本全国での相続案件受託件数No.1※となっています。

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正木 博

保有資格・・・司法書士・行政書士・社会保険労務士・宅地建物取引士
得意分野・・・相続全般(特に遺言・相続手続きなど)

年間約30件ほどのセミナーを行い、
これまで携わった相続手続き累計件数 5,000件以上

宮城県司法書士所属 登録番号 宮城 第769号

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