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NISAは相続できる?亡くなった後の口座の扱いと必要な手続き

NISAは相続できる?亡くなった後の口座の扱いと必要な手続き

NISA口座で資産運用をしていた方が亡くなった場合、「この口座は相続できるのか」「どのような手続きが必要になるのか」と疑問を持つ方は少なくありません。NISA口座そのものは引き継ぐことができませんが、口座内の株式や投資信託などの資産は相続の対象となります。ただし、非課税の扱いは相続の時点で終了し、相続税や売却時の課税が生じる場合があります。
本記事では、NISAの相続に関する基本的な仕組みから手続きの流れ、押さえておきたい注意点を、司法書士の視点で分かりやすく解説します。

この記事を要約すると

  • NISA口座そのものは相続できませんが、口座内の株式や投資信託は相続の対象となります。非課税の扱いは死亡時点で終了し、その後は相続人の証券口座で通常の課税対象として管理されます。
  • NISAの非課税の扱いは名義人の死亡時点で終了し、相続後は通常の証券口座で管理されます。非課税のメリットは相続人に引き継がれず、死亡時に終了します。その結果、相続後は通常の課税口座として扱われ、運用に伴う利益に税負担が生じる点に注意が必要です。
  • NISA口座の資産は相続税の対象となり、死亡時の時価を基準に他の財産と合算して評価されます。合計額が基礎控除を超える場合に相続税が課税されます。また、相続後に売却した場合には、その後の値上がり部分には課税がされます。

1. NISAは相続できる?NISAの基本 

1-1. NISAとはどのような制度か

NISAとは、「少額投資非課税制度しょうがくとうしひかぜいせいど」のことで、株式や投資信託などの運用で得られる売却益や配当金に対して税金がかからない制度です。

通常、これらの利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で保有している場合には、この税負担が軽減される点が大きな特徴です。

この制度は個人ごとに非課税枠が設定されているため、1人につき1口座しか開設できませんが、2024年からは制度が拡充され、非課税で投資できる枠も拡大されており、資産形成の手段として利用者も増えています。

このように、NISAは個人単位で非課税の取り扱いが付された制度であるため、相続の場面では通常の証券口座とは異なる扱いとなる点があります。

1-2. NISA口座のまま相続できないが、資産は引き継がれる

NISAは個人単位で非課税の取り扱いが与えられる制度であるため、名義人が亡くなった場合に、その口座自体を相続人が引き継ぐことはできません。

NISA口座としての非課税の扱いも、死亡の時点で終了します。

一方で、口座内で保有していた株式や投資信託などの資産については、他の預貯金や不動産と同様に相続財産として扱われます。

そのため、これらの資産は遺言書や遺産分割協議の内容に従って、相続人が引き継ぐことになります。

ここで整理しておきたいのは、「口座」と「資産」は別のものとして考える必要があるという点です。NISA口座はあくまで非課税制度を利用するための枠組みであり、相続の対象となるのは、その中にある財産です。

したがって、「NISAは相続できない」と言われるのは口座の話であり、資産まで受け取れなくなるわけではありません。

さらに、証券口座は日常的に確認する機会が少ないため、そもそもNISA口座の存在に気付かないまま相続手続きが進んでしまうこともあります。

相続財産の調査においては、預貯金だけでなく、有価証券の有無についても確認しておくことが大切です。

1-3. 相続時点で非課税の扱いは終了する

NISA口座で保有していた資産については、名義人が生存している間に得た売却益や配当金については非課税とされます。しかし、名義人が亡くなった時点で、その非課税の扱いは終了します。

そのため、相続人がこれらの資産を引き継いだ後は、通常の証券口座と同様に、売却益などに対して課税される扱いになります。

NISAで保有していた資産であっても、相続後も引き続き非課税で保有できるわけではない点に注意が必要です。

また、相続の際には、これらの資産は相続人名義の証券口座へ移管されます。このときの取得価格は、被相続人が購入した時の価格ではなく、亡くなった時点の時価を基準とする取扱いとなります。

これは、NISAの非課税の恩恵が名義人一代限りとされているためです。

そのため、相続により資産は課税対象として新たに取得したものとみなされ、相続時点の時価が取得価額となります。今後の売却を検討する際には、この点も基本的な仕組みとして押さえておくと安心です。

NISAはあくまで個人ごとに与えられた非課税制度であり、その適用は名義人の死亡によって区切られます。相続においては、この前提を理解したうえで、その後の資産の扱いを検討していくことが大切です。

2. NISAを相続した場合の税金の基本的な考え方 

2-1. NISAでも相続税は課税される

NISAは「非課税制度」として知られていますが、この非課税というのは、あくまで株式や投資信託の運用によって生じる売却益や配当金に対する所得税・住民税が対象です。

そのため、相続の場面においては、NISA口座で保有していた資産であっても、他の財産と同様に相続税の対象となります。

NISA口座内の株式や投資信託も預貯金や不動産と同じように相続財産として評価され、相続税の計算に含まれることになります。

「NISAだから税金がかからないのではないか」と誤解されることもありますが、相続税については別の税金であるため、この点は切り分けて理解しておくことが大切です。

もっとも、すべての相続で必ず相続税が発生するわけではありません。相続税には基礎控除があり、相続財産の総額が一定額を下回る場合には課税されないケースもあります。

したがって、NISA口座の資産があるからといって、直ちに相続税の申告や納税が必要になるとは限らない点も、あわせて押さえておくとよいでしょう。

2-2. 相続後に売却した場合の税金

NISA口座で保有していた資産は、相続の時点で非課税の扱いが終了し、相続人の証券口座へ移管されます。

そのため、相続人がこれらの資産を売却した場合には、通常の証券口座と同様に、売却益に対して課税されることになります。

ここで押さえておきたいのは、相続後の税金は「相続した後の値動き」に対して生じるという点です。

相続の際には、資産の取得価格は被相続人が購入したときの価格ではなく、亡くなった時点の時価を基準とする取扱いとなります。

たとえば、被相続人が購入した時よりも価格が上がっていた場合でも、その上昇分すべてに課税されるわけではありません。

相続時点の価格を基準として、その後の値上がり分に対して課税される仕組みです。この点を理解しておくことで、「どの部分に税金がかかるのか」というイメージがつかみやすくなります。

NISAは非課税のメリットがある制度ですが、その適用は名義人の死亡によって区切られます。

相続後は通常の課税関係に移行するため、売却の際には、相続後の値動きに対して課税される仕組みである点を理解しておくことが大切です。

【税金のかかるタイミング】
生前非課税
死亡時相続税の対象
相続後(売却時)値上がり分に課税

3. NISA口座の相続手続きの流れ 

3-2. 相続人の口座へ資産の移管

3-1. 相続手続きの進め方

NISA口座の名義人が亡くなった場合も、相続手続きは他の財産と同様に一定の流れに沿って進める必要があります。

まず行うべきなのは、口座を開設している金融機関への連絡です。ただし、死亡の事実を伝えると、その時点で口座は凍結され、株式の売買や出金などの取引はできなくなります。

その後、金融機関から今後の手続きや必要書類について案内を受けることになります。あわせて、相続財産の内容を把握するために、口座の残高や保有資産の確認を行います。

証券口座は日常的に確認する機会が少ないことも多いため、どのような銘柄や数量が保有されているのかを整理しておくことが大切です。

次に、相続人を確定したうえで、遺産分割協議を行い、誰がどの財産を取得するのかを決めます。遺言書がある場合にはその内容に従い、ない場合には相続人全員で話し合いを行います。

NISA口座の資産についても、この協議の対象となります。

また、相続財産の総額によっては、相続税の申告が必要となる場合があります。NISA口座の資産も相続財産に含まれるため、他の財産とあわせて全体像を把握しておくことが重要です。

取得者が決まったら、金融機関に対して相続手続きを申請します。

一般的には、金融機関所定の書類のほか、戸籍関係書類や印鑑証明書、遺言書または遺産分割協議書などの提出が求められます。

書類に不備があると手続きが進まないため、事前に内容を確認しながら準備することが重要です。

3-2. 相続人の口座へ資産の移管

相続手続きが完了すると、NISA口座で保有していた株式や投資信託などの資産は、相続人名義の証券口座へ移管されます。

この際、相続人名義の証券口座については、被相続人と同じ金融機関の口座が必要となるのが一般的です。

そのため、口座を保有していない場合には、あらかじめ開設しておくか、相続手続きとあわせて口座開設の手続きを行うことになります。

移管が完了すれば、相続人はその資産を保有し続けることも、売却することも可能になります。

ただし、この時点ではすでにNISAの非課税の扱いは終了しているため、以後は通常の証券口座と同様の取り扱いとなり、資産を売却した場合には、その利益に対して税金がかかるほか、配当金についても課税の対象となります。

なお、手続きを行わずに放置した場合でも資産が失われるわけではありませんが、口座は凍結されたままとなり、売却や出金ができない状態が続きます。

相続手続きは一定の期間を要することもあるため、早めに着手しておくことが望ましいでしょう。

なお、NISAの非課税の扱いはすでに終了しており、手続き中に発生した配当等は課税対象となります。

4. よくある質問(Q&A)

Q1. NISAは相続できますか?
A1. NISA口座そのものは相続できませんが、口座内の株式や投資信託などの資産は相続の対象となります。
相続後は相続人の証券口座へ移管され、移管後は通常の課税口座として管理されます。
Q2. NISA口座の名義人が亡くなったら税金はどうなりますか?
A2. NISA口座で保有していた株式や投資信託は、他の財産と同様に相続税の課税対象となります。
また、相続後にこれらの資産を売却した場合には、相続時の時価を基準として、その後の値上がり部分に対して所得税等が課税されます。
Q3. NISAの相続で知っておくべきポイントは何ですか?
A3. NISAの非課税の扱いは名義人の死亡時点で終了し、相続後は通常の証券口座として取り扱われる点です。非課税のメリットがそのまま引き継がれるわけではないため、この点をあらかじめ理解しておくことが重要です。
Q4. NISA口座の相続手続きをしないとどうなりますか?
A4. 預貯金や証券口座と同様に、金融機関へ死亡の連絡をすると口座は凍結され、売却や出金ができない状態になります。
手続きを行えば解消されますが、放置すると資産を動かせない状態が続きます。なお、NISAの非課税の扱いはすでに終了しており、手続き中に発生した配当等は課税対象となる点にも留意が必要です。
Q5. NISA口座の資産はどの口座に移されますか?
A5. NISA口座の資産は、相続人名義の証券口座(特定口座または一般口座)に移管されます。
NISA口座のまま引き継ぐことはできず、同一金融機関の口座が必要となるのが一般的です。

5. nocosにできること

nocosを運営するNCPグループは、司法書士・行政書士・税理士等の有資格者100名以上を要する、相続手続きに特化した専門集団です。

2004年の創業以来、累計受託件数12万5,000件以上の実績を重ね、現在、日本全国での相続案件受託件数No.1※となっています。

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正木 博

保有資格・・・司法書士・行政書士・社会保険労務士・宅地建物取引士
得意分野・・・相続全般(特に遺言・相続手続きなど)

年間約30件ほどのセミナーを行い、
これまで携わった相続手続き累計件数 5,000件以上

宮城県司法書士所属 登録番号 宮城 第769号

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